新潟県阿賀町九島の建設会社巴山（ともやま）組が、町の花である雪椿から採れるオイルを活用した新製品を手がけた。第３、４弾目となる今回は、リップクリームとヘアオイルを開発。同社の担当者は「多くの人に手に取ってもらい、雪椿に親しんでほしい」とアピールしている。

　雪椿は１９０６年、阿賀地域で発見、命名され、阿賀町の「町の花」になっている。同社では、雪椿を地域活性化に役立てようと、１０年ほど前に「奥阿賀・緑の油田プロジェクト」を始動。町内の耕作放棄地などで雪椿を栽培し、種から搾油したオイルを生かした製品作りに取り組んできた。現在は約７５００平方メートルで植栽を管理している。

　雪椿は日本海側の一部の山間積雪地域に生育し、オイルも種約２００グラムから１２ミリリットルほどしか採れず、希少性がある。同社では、搾油の際に非加熱式の圧搾機を使用しており、オレイン酸やビタミンＥなどの成分も損なわないという。

　２０１５年に食用オイルを商品化した後、より手に取りやすい形で雪椿に親しんでもらおうと、２１年にハンドクリームを発売。今回は、数年前から構想があったリップクリームと、利用者から要望のあったヘアオイルの開発に乗り出した。

　新たに開発した２製品にも雪椿オイルを配合。製品の製造は大阪のメーカーに依頼し、約１年かけて完成にこぎつけた。何度も試作を重ね、べたつかない使用感にこだわったほか、無香料、無着色で性別を問わず使いやすい仕上がりになっている。

　同社商品開発室は「雪椿や阿賀らしさを意識した包装で、贈り物にもぴったり。新たなおみやげを通し、雪椿を身近に感じてほしい」としている。

　リップクリームは２・５グラムで１３２０円。ヘアオイルは６０ミリリットルで２８６０円。町内の温泉旅館や道の駅「阿賀の里」、新潟市中央区の新潟伊勢丹などで販売している。

　問い合わせは巴山組商品開発室、０２５４（９２）７５００。