スルメイカが大量に入ったホタルイカ漁の定置網を引き揚げる漁師=1日午前4時半ごろ、滑川沖

スルメイカが大量に入ったホタルイカ漁の定置網を引き揚げる漁師=1日午前4時半ごろ、滑川沖

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ホタルイカ漁解禁 富山の滑川漁港

北日本新聞(2023年3月2日)

 1日に解禁された富山湾の春の風物詩、ホタルイカ漁で、滑川市の滑川漁港の水揚げがわずか59匹だった。同漁港の初日としては2007年に9匹だったことがあるものの、過去10年では最少。県水産研究所(同市高塚)が同日発表したホタルイカの漁況予測も、過去10年の平均を下回る見通しとなった。地元漁師は「残念な結果になった。これから増えてくることを期待したい」と話した。漁は4月ごろに最盛期を迎える。

 午前4時ごろ、滑川春網定置漁業組合の親船と子船計6隻が滑川漁港から出港し、沖合約1・5キロに仕掛けた定置網に向かった。

 ただ、定置網にはスルメイカが大量に入っており、ホタルイカはわずかだった。同漁港の荷さばき場に運ばれた約500グラムのホタルイカは、市内の水産加工会社が1万1千円で競り落とした。

 初日の水揚げが9匹だった07年も、網にスルメイカやヤリイカが多く入っていた。同研究所によると、スルメイカ漁のピークは従来1~2月だったが、近年はやや遅れるケースが増えているという。同組合の水橋一仁副組合長(61)は「スルメイカが多く、ホタルイカが入りづらかったのかもしれない。不安だが、今後の漁に期待するしかない」と語った。漁は6月ごろまで続く。

 同漁港の初日の水揚げ量は18年6キロ、19年1・5キロ、20年365キロ、21年127キロ、22年50キロで推移している。富山湾全体のシーズンを通した漁獲量をみても、18、19年は不漁で、19年の437トンは統計が残る1985年以降で最少だった。2020年以降は豊漁が続いている。

 同研究所の今年のホタルイカの漁況見通しによると、総漁獲量は過去10年の平均の1467トンを下回る1160トンを見込む。2月までの富山湾への来遊状況が低水準だったことに加え、3~5月の予想気温が平年より高く、海水温の上昇によって漁期が短くなる可能性があるためだという。

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