宇奈月温泉開湯100周年を記念した日本酒を生み出すため、関係者による試飲会が7日、黒部市宇奈月温泉のホテル黒部で開かれた。銀盤酒造と皇国晴酒造の市内2社が製造し、旅館のおかみでつくる「かたかご会」が監修する。温泉水を使った全国でも珍しいお酒になる予定で、出席者は「湯のまちをアピールできる味」と太鼓判を押した。今春の発売を目指す。
新商品の開発を目指す酒造会社と、日頃から観光客と接しニーズを知るおかみたちが、昨秋から意見交換を重ねてきた。宇奈月温泉の湯を冷まし、銀盤は加水に使い、皇国晴は仕込みから使用する。両社とも初の試みになる。
この日は、おかみや地元自治振興会の関係者ら11人が出席。両社の試作品を飲み「おいしい」「とろっとしていて、まろやか」などと感想を述べ合った。
今後、本格的な製造に入り、ゴールデンウイーク前には両社同時に売り出したい考え。各旅館で提供するほか、6月の開湯100周年記念式典の祝賀会などでも活用していく。
かたかご会の濱田昌子会長は「100周年のお酒の完成が近づき、感激している。お客さんにも2種類の味を楽しんでもらえると思う」と話した。