海の生き物の造形を立体的に観察できる「透明標本」の作家、冨田伊織さん(39)の作品展が、新潟県上越市五智2の市立水族博物館うみがたりで始まった。魚の骨格だけでなく、青や赤紫の透き通った色を楽しむことができる。
作品展は「生きものがかたる造形美」と題し、魚類やエビ、イカなどを標本にした作品約300点が並ぶ。魚体のタンパク質を分解させて透明度を高め、軟骨を青色、硬骨を赤紫色に染めている。
作品だけでなく、冨田さんが撮影した標本写真や、10種類以上の薬品に順番に浸して完成させる制作過程を解説するパネルなども並ぶ。
20日、報道向けに展示について解説した冨田さんは「海で生きる姿を感じられるようこだわって制作している。いろいろな角度から生き物の美しさを感じてほしい」と話した。
展示を見たなおえつ保育園の年長男児(6)は「透明で体の中がよく見える。大きく口を開けた魚がかっこよかった」と喜んだ。
5月21日まで。