アウトドア製品販売の山谷産業（新潟県三条市北入蔵２）は、刃先から持ち手まで１枚の鋼板で作るフルタング仕様の手おの「スケルトンアックス」を発売した。持ち手部分をくりぬくことで、従来品より約４割軽量化した。木材を割るほか、細かい作業も簡単にできる。ハンマーとしても使えるなど１本で何役もこなすため、アウトドアの強い味方になりそうだ。

　アウトドア用の手おのは、金属の刃と木製の持ち手を組み合わせることが多い。ただ、大きな丸太を割るために、おのの背をハンマーなどでたたく「バトニング」をすると、接続部が緩むなどの不具合が出るケースがあった。金属製フルタング仕様のおのはバトニングが可能だが、１本約１キロと重く、持ち運びに不便だった。

　スケルトンアックスは、自身もアウトドアをする山谷武範社長（５０）が、はさみ製造の坂源（三条市金子新田）と共同で開発した。軽量化と耐久性を両立するため、２０２１年の夏ごろから試作を重ね、重さ約６１９グラムの製品が完成した。山谷さんは「厚みも６ミリと薄さも追求した。職人が手作業で刃付けしているので、切れ味がよく丈夫だ」と太鼓判を押す。

　先行販売では２６１本が売れ、アウトドア愛好家の期待も高い。山谷さんは「格好良さにこだわった。軽いので女性でも安心してまき割りができる。簡単に扱えるので、ぜひ使ってみてほしい」と話している。

　スケルトンアックスは１万２千円。山谷産業が運営する村の鍛冶屋ＳＨＯＰ（三条市北入蔵２）や、インターネットサイトから購入できる。問い合わせは山谷産業、０２５６（３８）５６３５。