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三国祭が「完全復活」、GPSで山車巡行情報も 5月19日~21日、福井県坂井市

福井新聞(2023年5月11日)

 北陸三大祭りの一つで県指定無形民俗文化財の「三国祭」(福井県坂井市)が、5月19~21日行われる。新型コロナウイルスの影響で中止していた「舟神輿(みこし)」の渡御を再開、大神輿と2基が連なる4年ぶりの"完全復活"となる。地元中学生による武者行列も再開するほか、呼び物の巡行山車(やま)の現在地が、観光客にもデジタル端末で分かるようにするなど、伝統の祭り運営を新技術で継承していこうとの工夫が見られる。

 三国祭は三國神社の例大祭。神輿渡御は2020年に中止、21、22年は「大神輿」のみが2柱のご神体を載せて巡行したが、今回は2基の神輿にそれぞれご神体が載る。三国中生らによる武者行列も復活する。

 約300年の歴史を誇る中日(20日)の山車巡行は今回、岩崎、中元、上西、桜町、橋本の当番5区と三国祭保存振興会が担う。武者人形以外で唯一の山車、桜山車「永代櫻(えいたいざくら)」も8年ぶりにお目見え。同会青年部会が企画する19日夜の山車巡行「宵山車」も、昨年に続き行われる。

 初の試みとして、神社周辺に集中しがちな祭りのにぎわいを旧市街地全体に広げる。観光客や来場客らに山車を見ながら散策してもらおうと、グーグルマップの機能を使い、巡行する6基の山車の位置が衛星利用測位システム(GPS)でリアルタイムに分かるようにする。中日当日に、祭りのホームページやパンフレットに掲載するQRコードから閲覧できる。また、旧森田銀行本店から松ケ下区山車蔵までの通りや駐車場を「グルメ通り」と名付け、キッチンカー約20台が集結する。

 同会の会長は「歴史ある三国の街並みを巡りながら、コロナ前のような従来の祭りをたくさんの人に楽しんでほしい」と話している。

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