創業138年の「日本一うまいトコロテン」(新潟県上越市大島区下達(しもたて))が今季も営業を始めた。地域の湧き水と昔ながらの製法のところてんが人気で、山間の店に多くの人が足を運んでいる。
1885(明治18)年創業の店は現店主の武江稔さん(51)で5代目。店が立地する市道は昔、松代・松之山方面へ向かう峠越えの人たちでにぎわい、ところてんを提供する店が軒を並べたという。
もともと屋号の「清水屋」が店名だったが、3代目の時代、全国を食べ歩いた客から「この店が一番おいしい」と「日本一うまいトコロテン」と書かれたのれんを贈られ、今の店名になった。
創業当時の製法を貫き、保存料を一切加えていない。伊豆地方の数種類のテングサを地元の湧き水で2時間以上煮込んで作る。仕上げも湧き水で冷やす。こしたり冷やしたりとできあがるまでに6時間を費やす。
常連客も多く、繁忙期のお盆には1日500食を販売する。武江さんは「昔ながらのところてんで涼しさを感じてほしい」と話している。
店はほくほく線大島駅から南に500メートルほどの距離にある。県道の看板が目印。営業時間は午前10時〜午後4時。1食330円。今季は10月9日まで営業し、無休。問い合わせは025(594)3701。