黒部峡谷などを描いてきた日本画家の田渕俊夫さん(東京)が、宇奈月温泉開湯100周年と黒部市芸術創造センター・セレネの開館30周年を記念し、水墨画屏風(びょうぶ)5点を市に贈った。寄贈作品など田渕さんの作品を紹介する特別展がセレネで開かれており、自然を端正に表現した作品が並ぶ。7月19日まで。
田渕さんは東京都出身で、日本美術院理事長を務める。各地の風景を題材に制作しており、黒部峡谷も取材に訪れ、作品に描いてきた。
今回寄贈したのは「黒部心象 奥鐘山」や「竜門の滝」など5点。「黒部心象 奥鐘山」は、黒部峡谷鉄道の終点・欅平(けやきだいら)近くにある岩山の冬の姿を表現した。冬は一般の人は立ち入れない地域で、長野側から入ってスケッチしたという。山の美しさと恐ろしさが伝わる作品になっている。
特別展ではこのほか、セレネが所有する11点も紹介。「開湯100周年のつどい」が行われる18日は無料公開する。