スロバキア在住の絵本作家、降矢(ふりや)ななさんの原画など約230点を紹介する企画展が24日、富山市の高志の国文学館で開幕した。個性豊かな登場人物を優しい色彩で表現した原画や、絵本ができるまでの過程を伝えるラフスケッチなどが並び、来場者を不思議で温かな絵本の世界に引き込んでいる。9月4日まで。
降矢さんは1961年東京生まれ。85年「めっきらもっきら どおん どん」でデビューした。92年にスロバキアの美術大に留学し、現在も同国で暮らす。
会場では「めっきらもっきら―」のほか、コラージュ技法による「きょだいな きょだいな」、スロバキアの森が舞台の「ナミチカのきのこがり」など名作の原画を紹介する。子どもも楽しめるよう、作品は通常より低い位置に展示した。
絵本のワンシーンを再現した撮影スポットや、室井滋館長の朗読と原画を合わせた映像の上映もあり、来場した親子連れらが物語の世界に浸った。
開会式では降矢さんや室井館長があいさつ。富山大付属幼稚園の園児らがくす玉を割り、開幕を祝った。午後は降矢さんのトークショーがあり、作品に込めた思いやスロバキアでの暮らしを紹介した。北日本新聞社共催。