メッキ加工の新和メッキ工業(新潟県上越市土橋)は、上越産チタンを用いた弁当箱を製造し、9月から一般販売する。シンプルな丸形の「Wa(わ)」と、どんぶりスタイルの「Don(どん)」の2種類。定価は送料込みで1万8480円と高額だが、クラウドファンディング(CF)での先行販売では約90個を受注。新和メッキは「予想以上の反応だった。一般販売に弾みがついた」としている。
上越市港町2にある日本製鉄東日本製鉄所直江津地区では独自の表面処理によりさまざまな色彩の意匠性チタンを製造しており、市は上越を「チタンの町」としてアピールしている。新和メッキ工業は2021年、生活道具ブランド「iroiro(いろいろ)」を立ち上げ、日鉄製の上越産チタンで定規やカラープレートを発売した。
第3弾の弁当箱は、旋盤で回転させたチタンの板にへらを当てて成形する「へら絞り」で製作。注文を受けてから、一つ一つを手作りで生産している。色はピンク、グラデーションなど4種類。表面はガラスコーティングして、油や水のしみなどを防ぐ。
5月から2カ月間、試行的に行ったCFでの販売では約90個を受注。新和メッキの瀧見直晃社長(40)は「こんなに売れるとは。チタンは金属臭がせず、食材の風味を損なわない。色彩豊かな弁当箱でランチタイムの気分を高めてほしい」と話している。
9月からの一般販売は新和メッキのインターネットサイトなどで行う予定だ。問い合わせは同社、025(524)5426。