スマートフォンを活用して温度や湿度を確認する生産者=加賀市豊町

スマートフォンを活用して温度や湿度を確認する生産者=加賀市豊町

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IoTで出荷、品質アップ 加賀のブドウ農家 試験導入し8年、成果上々

北國新聞(2023年8月30日)

 石川県内最大のブドウ産地である加賀市豊町で、IoT(モノのインターネット)を活用した生産管理が徐々に成果を上げている。試験導入から8年、県産高級ブドウ「ルビーロマン」の市内の出荷数は今季、2019年比で5割増となる6500房を計画。町内の農家が栽培した1房が5年連続で初競りの最高値となるなど品質アップにもつながっているという。

 29日、豊町果樹生産組合の山下弘蔵組合長ら生産者3人が市役所を訪れ、宮元陸市長に出荷実績やデジタル技術の活用状況を報告した。

 加賀市ではルビーロマンの安定供給と出荷増を目指し、2016年にIoTを活用した実証実験が始まった。21年から本格運用に移り、現在は豊町の農家3軒が温度、湿度、照度、土壌水分を計測するセンサーを使って管理している。

 ルビーロマンなどを育てる土山ぶどう園では、約2ヘクタールのハウス内4カ所にセンサーを置いている。各数値をスマートフォンで確認できるほか、高温や低温になると通知が届く仕組みで、園主の土山恭弘さん(52)は「通知で暖房の停止に気付いたこともあり、これまで把握できなかった箇所にも目が届くようになった」と話す。

 市によると、ルビーロマンは市内の15軒が約29ヘクタールで生産している。このうち、豊町が最大の14ヘクタールを占める。農家数、栽培面積はほぼ変わっていないが、出荷数は2019年が4181房だったのに対し、今季は8月21日時点で4566房となり、9月いっぱいまでに6500房を目指している。

  ●獣害防止にドローン検討

 宮元市長への報告の中で、生産者からはイノシシやカラスの被害が出ているとして、ドローンを活用した見回りができないかと提案があった。

 山下組合長は夜間にドローンを自動飛行させ、動物が嫌がる音や匂いを出すことで農園への接近を防ぐアイデアを示し、宮元市長も賛同した。

 宮元市長は「これからも生産のトップを走るために、どんどん技術革新を取り入れていってほしい」と後押しする考えを強調した。

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