世界文化遺産候補「佐渡島(さど)の金山」の関連施設など名所が集中する新潟県佐渡市相川地区の魅力を発信する観光案内所「北沢カウンター」(佐渡市相川北沢町)がオープンした。相川の活性化に取り組む「相川車座」が運営。人気スポットの「北沢浮遊選鉱場跡」近くという立地を生かし、既存の観光スポットに集中していた観光客を地区内の周遊につなげ、滞在時間を延ばしたい考えだ。
北沢浮遊選鉱場跡近くにある北沢カウンターには、地域おこし協力隊の伊藤幹太さん(26)が主に常駐し、相川車座のメンバーも観光客に対応する。各スポットのパンフレットなどが置かれているほか、多目的トイレもある。観光施設のチケット販売や、3人乗りの「電動トライク」の貸し出しも行っている。
「ゴールデン佐渡」(下相川)が所有し、空き店舗となっていた木造平屋建ての建物を相川車座が借り受け、県と市の補助金を活用して改修。7月下旬にオープンし、9月2日にお披露目会を開いた。
相川車座の雨宮隆三さん(47)によると、相川に立ち寄る観光客は史跡佐渡金山と北沢浮遊選鉱場跡だけを見学するケースが多く、相川の滞在時間は3時間ほどだという。相川車座は、古民家を改修した分散型ホテルを計画するなど、相川地区での観光客の滞在時間を3日間に延ばすための取り組みを進めており、北沢カウンター開設はその一環に位置付けられている。
伊藤さんは「8月は1日30人ほどが訪れて観光地や飲食店などを紹介した。カウンターがあることで、観光客の町歩きや飲食店の利用につなげられている。相川のことを知ってもらうきっかけになっている」と手応えを語る。
今後、金銀採掘で栄えた歴史の発信や、地域住民と観光客の交流拠点として、イベントの開催や土産物の販売も行う予定で、雨宮さんは「カウンターを拠点に相川の魅力を発信し、通過型の観光から滞在型へとシフトさせる。地域と観光客をつないでリピーターを増やしたい」と話した。
営業時間は、平日が午前10時〜午後5時。土日祝日が午前10〜午後6時。9月末までは水木定休。10月以降は不定休。