「大岩のお不動さん」で親しまれる真言密宗の大本山、大岩山日石寺(富山県上市町大岩)の参道に、寺カフェ「大岩甘露 まめぼう豆(ず)」が本格オープンした。築100年以上の旧旅館を改装し、パティシエが手がけた甘納豆や高野豆腐を使った「精進スイーツ」を提供している。冬季も営業し、自然豊かな場所で、参拝者や観光客にゆったりと過ごしてもらう。
大岩山日石寺は磨崖仏(まがいぶつ)や滝行が有名。参道の茶屋や旅館で供されるそうめんも名物で、多くの観光客が訪れる。閉店後や冬季などに、参拝者から「どこかで休めないか」との声が寄せられ、旧旅館はこれまで寺が休憩所として運営してきた。2025年の開基1300年の節目を控え、今回、カフェ開店が実現した。
運営会社が4月から営業を始めた。和テイストの店内で、かき氷やコーヒー、お茶などを提供。8月からは富山市内の洋菓子店で腕を振るっていたパティシエの女川奈津子さんを迎え、本格的なスイーツをメニューに加えた。
高野豆腐のクッキーやパウンドケーキのほか、温かいぜんざいは黒豆や金時、小豆など6種類の豆の食感と優しい甘さを楽しめる。カラメルソースの代わりに甘納豆を作る際の蜜を使い、甘みと滑らかな口溶けが特徴の手作りプリンもお薦めという。
店長の林雅英さんは「まだまだ手探りだが、ぜひ立ち寄ってほしい」と話す。メニューは今後増やしていく考えだ。定休日は火曜。営業時間は午前10時~午後4時半。日曜は午前9時からで、かゆを無料で振る舞う。