福井県あわら市で唯一で、県内でも珍しいレンコン栽培に取り組む農業法人「グリーンファーム角屋」の水田で10月2日、あわら温泉の女将(おかみ)5人が収穫体験を行った。北陸新幹線県内開業に向け、同温泉のおもてなし料理の新たな地元食材にレンコンを加えようと、女将たちは胴長靴姿で、腰まで泥につかりながら収穫していた。
女将たちは膝立ちで水深20センチ程度の泥に埋まっているレンコンを探し、ホースの水圧で次第に浮いてくると、連なったレンコンを引き上げていた。中には5節連なった長さ1メートル、重さ2キロの大物も取れ、喜んでいた。
まつや千千の若女将は「体験して生産者の大変さやおいしさの理由を知ると、お客さまにも紹介できる。地元でおいしい食材が採れることはうれしい」と話した。
レンコン栽培は、7年前、石川県から移住した農家の齋藤さんが同法人の社長に就き、昨年初めて水田を改良して栽培した。同県では伝統野菜「加賀れんこん」として湿地での栽培が盛んだが、県内では「新鮮なレンコンが入手しにくい」(齋藤さん)と感じ、水田(約30アール)で栽培し始めた。春に種レンコンを植え付け、9~3月に収穫。収量は約4トンほどで、昨年は一部の温泉旅館にも地元野菜として納入している。