秋の行楽シーズンに合わせ、新潟県妙高市赤倉温泉の旅館・ホテル８軒で、それぞれが所蔵する書画や焼き物を展示する企画「赤倉温泉丸ごとギャラリー」が開催されている。関係者は「昔ながらの温泉街を歩いて芸術作品を楽しんでほしい」とＰＲしている。

　日本近代美術の祖、岡倉天心は赤倉温泉で晩年を過ごし、生涯を閉じた。天心ゆかりの地をアピールしようと、赤倉温泉観光協会が２００３年に始めた取り組みで、新型コロナウイルスの影響で４年ぶりに再開した。

　８軒のうち、赤倉ホテルでは、大正期から戦後にかけ赤倉温泉で創作活動をした日本画家、松林桂月（けいげつ）が妙高山を描いた畳１枚ほどの大作を１階のロビーで公開している。旅館「香嶽楼（こうがくろう）」では、与謝野鉄幹、晶子夫妻の歌集などを玄関に展示。香嶽楼の女将（おかみ）、村山美枝子さんは「天心ら芸術家が愛した赤倉を再認識するきっかけにしてほしい」と話している。

　展示は１１月３０日までの午前１０時〜午後５時。無料。施設ごとに休館日が異なる。問い合わせは赤倉温泉観光協会、０２５５（８７）２１６５。