福井県あわら市の造形作家、津谷博子さんの個展「津谷博子のお面展」が11月5日まで、同市金津創作の森美術館で開かれている。顔部分に墨文字やイラストが描かれた和紙を張り付け、顔が文様のように見える独特の表情を生み出している。
津谷さんは新聞紙や廃材で人形や動物などを作り、独自の世界観を表す造形作品展を開いてきた。今回は「お面を作ってみたい」という衝動にかられて、1年がかりで40点近い面を作った。
面は、空き箱をつぶして顔の形に整形した。故人で画家の志田弥広さん(同市)や書家の谷川脩さん(坂井市)ら津谷さんと関係の深い旧金津町の知人や同級生らからもらった和紙の書や墨書き、手紙、イラストなどを表面に張り付けた。津谷さんは「創作の原点はローカル人にしか表現できない土着性。それを感じてほしい」と話している。
面は大きなもので縦50センチ横40センチ、小さいもので縦20センチ横15センチ。2~3点を組み合わせて面同士が"会話"しているように見えるものもある。今年4月に亡くなった津谷さんの夫をイメージした面も作品に加えた。