石山本願寺の資料が並ぶ特別展=福井県あわら市の吉崎御坊蓮如上人記念館

石山本願寺の資料が並ぶ特別展=福井県あわら市の吉崎御坊蓮如上人記念館

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「大阪を創った蓮如上人」...寺内町の繁栄紹介 福井県あわら市の吉崎御坊記念館

福井新聞(2023年11月8日)

 浄土真宗中興の祖、本願寺第八世の蓮如(れんにょ)上人が建立した石山本願寺(大阪府)の寺内町の繁栄を紹介する特別展「大阪を創った蓮如さん」が、福井県あわら市の吉崎御坊蓮如上人記念館で開催されている。掛け軸や地図など資料約40点が展示されている。11月27日まで。

 京都市の本願寺文化興隆財団が主催。1471年に布教の拠点として吉崎御坊を建立した蓮如上人は75年に退去した後、78年に山科御坊、96年に大坂御坊(後の石山本願寺)を造営。いずれも、職人や商人の居住区を分け、商売を非課税とする寺内町を設けた。「仏さんに見せられない帳簿を付けるな」という教えが息づいたことで、誠実で社会貢献を見据えた商いが広がり、経済都市としても栄えたとされる。

 石山本願寺の寺内町は1万人以上の門徒が住んだという。戦国時代には大名に匹敵する勢力を持ち「石山古城図」には、織田信長と戦った石山合戦(1570~80年)の攻防が記されている。甲冑(かっちゅう)姿の第十一世・顕如の掛け軸なども並ぶ。

 蓮如上人は法話の合間に、能や茶の湯を取り入れ、文化も醸成したという。企画担当者は「地域にゆかりのある蓮如さんが大阪の文化、経済を育んだことを知って、誇りをもってほしい」と来場を呼びかけた。

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