新潟県上越市内のラーメン店など16店で、冬恒例の酒かすラーメンの販売が始まった。「背脂」「しょうが醤油(じょうゆ)」などに並ぶ新潟県の「一大ご当地ラーメン」を目指す取り組み。これまでは「雪むろ酒かすラーメン」としてきたが、今回は具材を見直し、「上越酒かすラーメン」に一新。上越で冬にしか味わえないメニューを地域ぐるみで提供することで、ラーメン界を熱くする。
酒かすラーメンは、上越の発酵文化をPRしようとラーメン店主たち有志が共同開発した。この有志が「上越愛麺会」を結成し、 これまでに5回提供してきた。昨冬は20店が参加し、期間中に1万8420杯を売り上げた。
2019年に始まった取り組みではこれまで、雪室で貯蔵した食材を使うことを条件の一つとしていた。必要な量を確保できないなどの事情を受け、今回から「上越地域の酒蔵の酒かすを使い、上越産の野菜や魚介類、発酵食品をトッピングする」とルールを変更した。
上越市は2021年、PR効果や土産物としての商品化など今後の展開を見据えて商標登録。店主の都合などで前回より4店舗減ったものの、今回参加する16店舗は前回以上に売り上げようと意気込んでいる。
12月2日に始まった今シーズンは、酒かすにマッシュポテトを加えた濃厚な味わいのみそラーメンや、20種類以上のスパイスを使ったカレー風味など、各店が趣向を凝らしたメニューを用意した。
上越市五智2の「障がい者就労支援センターWITH」が営むラーメン店「WITHドリーム」は、名立産の甘エビで作るオイルがアクセントの「雪むろ酒かすみそラーメン」を提供する。
酒かすに赤みそと白みそをブレンドしたスープと、エビのオイルの香ばしさが程よく調和する味に仕上げた。自家製の中太縮れ麺が濃厚なスープによく絡む。雪室貯蔵した上越産のタマネギや発酵食品の野沢菜などをトッピングした。
店舗責任者の高橋拓也さん(42)は「前回とひと味違う味わいになった。多くの人に冬ならではの味を楽しんでほしい」と話す。
期間は2024年3月中旬まで。各店を巡るスタンプラリーを1月31日まで開催し、スタンプを三つためると、抽選で上越地域の日本酒が当たる。