新潟県佐渡市の真野湾の海底で半年間熟成させた日本酒とワイン「佐渡海底熟成酒」の販売が始まった。販売するのは、市内で潜水服の製造や水中工事などを手がける「佐渡潜水」だ。佐渡潜水の臼木昭博代表は「飲めば分かるおいしさ。佐渡土産の新定番になるといい」と話す。

　佐渡潜水の海底熟成酒は、海底の水温や暗さなどを利用して熟成させる。船のモーター音なども、熟成に好影響を与えるとされる。

　酒瓶に覆いなどは付けないが、海中で固定する必要があり、土台などは自社で独自に製造した。２年前から準備を進め、２０２３年４月にイタリア産ワインを、６月には逸見酒造（佐渡市長石）の日本酒を、真野湾の水深２０メートル地点に沈めた。

　半年間熟成させたところ、蔵元らが驚くほどの変化があったという。臼木代表は「アルコール独特の角が取れたような感じで、飲み口が柔らかくなった」と説明する。

　日本酒は一升瓶が１万円、四合瓶は７５００円。ワインは赤、白各９５００円。オンラインショップや佐渡潜水の本社で購入できる。原則、予約が入り次第海から引き揚げる。問い合わせ、予約は佐渡潜水、０２５９（５８）７２２８。