松倉自治振興会が新調し、松倉城跡の本丸に立つ観光案内板

松倉自治振興会が新調し、松倉城跡の本丸に立つ観光案内板

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松倉城跡もっと知って 魚津の地元自治振興会、歴史継承へ案内板一新

北日本新聞(2023年12月19日)

 魚津市の松倉自治振興会は、県史跡の松倉城跡にある観光案内板を一新した。近年の城ブームを背景に県内外から松倉地区を訪れる人が増えているのを受け、老朽化した看板を取り換え、説明書きには最新の発掘調査結果も盛り込んだ。冨川茂樹会長(77)は「城の歴史や構造に関する記録を後世に残すとともに、観光客らには学びを深めてもらえれば」と期待した。

 松倉城は、南北朝時代から戦国時代末期の山城。30以上の支城やとりでが点在する城郭群を形成したとされ、越中三大山城と呼ばれる。本丸は1965年に県史跡に指定。市中心部から車で約30分で本丸そばの駐車場まで行け、城下町だった鹿熊集落から延びる登城道も見つかっている。

 地元の遺跡の価値を守ろうと住民が長年活動し、草刈りや倒木撤去などに取り組んできた。そんな中、魚津城の戦いが取り上げられたNHK大河ドラマ「天地人」や魚津市で開催された「全国山城サミット」の影響で、ここ10数年の間に県内外からの来訪が増えた。一方、案内板は文字や図が読み取れないほど劣化していたため、城跡の魅力を正しく伝えようと新調することに決めた。

 リニューアルしたのは主要な5カ所の案内板。本丸には城跡の概要、駐車場には城郭群について図解するカラー看板を設置。発掘調査時の写真も組み合わせて分かりやすくした。屋敷や石積み門の跡が残る「大見城平」、神社があったとされる「八幡堂平」、処刑場跡の「獄門原」の各所には文字看板を置いた。文章の執筆は市教育委員会の学芸員と内容を検討し、直近2016年の調査結果も反映した。

 国史跡指定を目指している松倉城跡を巡っては今年10月、史跡相当の価値があるとする文化庁の埋蔵文化財リストに入り、実現への機運が高まった。冨川会長は「新たな案内板の設置を機に、住民にも観光客にも城跡の歴史を継承していってもらいたい」と願った。

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