能美市がふるさと納税の確保に向け、地元企業の新技術や人気キャラクターを生かした返礼品を追加し、年末の駆け込み需要の掘り起こしに取り組んでいる。今年度(4~11月)の寄付額は過去最多ペースで推移、10月以降、国の制度改正で全国的に寄付が減少傾向にある中、高い温熱性能を持つサウナスーツ、市応援大使「シナモロール」の限定ぬいぐるみを採用して独自色をPRし、ファン獲得を狙う。
市によると、11月末までの寄付額は6329万円(2742件)で、前年同期比で5割増。寄付は12月末が締め切りで、例年12月は年間寄付額の半分近くが寄せられる「勝負の1カ月」だ。ただ、今年は10月から制度改正で返礼品を受け取るのに必要な寄付額が引き上げられ、前期比で減少に転じており、新商品でてこ入れを図る。
11月17日から、小松マテーレが開発した素材を用いて製造された「ザウナスーツ 着るサウナ」(寄付額11万円)を追加。市応援大使を務めるサンリオ人気キャラのシナモロールを生かし、12月15日からは限定200個のオリジナルぬいぐるみ(同2万円)を採用した。ぬいぐるみは県外を中心に26日時点で64件の寄付が集まっているという。
さらに、市特産の加賀丸いもがテレビの人気料理番組で今月放送され、直後から寄付申し込みが150件以上あり、丸いもの返礼品が一時品切れ状態となった。
市によると、今年度の寄付額、件数ともにトップは、旭台2丁目の化粧品製造「TOWAKOメディカルコスメティック」が相手先ブランドによる生産(OEM)で供給する「NANOAヒト幹細胞まつげ美容液」(同1万円)。既に518件535万円の寄付を集めた。
市は地場企業のものづくり技術を発信するため、ラインアップを今後も充実させる方針で、市長室の担当者は「地元事業者の販路拡大を後押ししたい」と話している。