国重要無形民俗文化財「野沢温泉の道祖神祭り」が15日夜、下高井郡野沢温泉村で開かれた。たいまつを手に社殿に火を付けようと突き進む村民と、食い止めようとする厄年の男たちが攻防を繰り広げる勇壮な伝統行事。国内外の見物客が楽しんだ。
たいまつを手にした村民は午後9時ごろ、高さ10メートル超の社殿に殺到。厄年の男性たちは降りかかる火の粉をものともせずに押し返した。せめぎ合いが続いたが午後10時に火が放たれると、雪が舞う中で、社殿は炎を上げて崩れ落ちた。
祭りの中心を担った「道祖神委員長」の河野健児さん(40)は「人とのつながりの中で受け継いできた伝統行事。この地域に生まれ良かったと思える」と感無量だった。