春の四重奏について語り合う中国出身の川瀬さん(右)らガイドのメンバー

春の四重奏について語り合う中国出身の川瀬さん(右)らガイドのメンバー

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絶景を中国語でも紹介 富山県朝日町「春の四重奏」で地元ガイド活躍、訪日観光客らに対応

北日本新聞(2024年4月11日)

 富山県朝日町舟川新で開催中の「あさひ舟川 春の四重奏」で、年々増加する訪日観光客らに対応しようと、地元ボランティアによる多言語ガイドが活躍している。日本語と英語のほか、今年初めて町日中友好協会の会員が中国語で花畑の見どころやマナーを説明する。ガイドの1人で上海出身の川瀬ちーさん(52)=朝日町=は「まちが誇る絶景を海外の人に知ってもらえてうれしい」と話している。

 春の四重奏は農家が栽培するチューリップと菜の花に加え、舟川の桜並木と残雪の山々が一望できる風景。四つがそろわない年もあるが、花見スポットとして近年は国内外の観光客の注目を集める。

 実行委員会は地域の力を運営に生かそうと、地元の事情に詳しく多言語に対応したガイドを養成。朝日、入善などから日本語8人と英語5人のほか、朝日町日中友好協会の中国出身者ら9人がそろった。会場では観光案内所で来場者に応対し、花畑や農家の解説、交通案内などを行っている。

 中国語の案内を担う川瀬さんは、結婚を機に約30年前に移り住み、舟川周辺の景観に癒やされてきた。ガイドの経験はなかったが、「外国人に朝日町の魅力を伝えたいと思っていた」。中国語圏からの来場者に笑顔で声をかけており、「母国の言葉で会話できるのが喜ばれ、四重奏の意味を理解してもらえた」と語る。

 春の四重奏の会場は観光農園ではなく、期間中も花摘みや薬剤散布を行い、病気予防のために畑の立ち入りを禁止している。川瀬さんは「農家や住民の努力があっての絶景。その歴史や苦労話なども紹介していきたい」と話している。

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