5月19日開幕の三国祭(県指定無形民俗文化財)を前に、完成した山車(やま)を地元住民に披露する「渡り初め」が11日、坂井市三国町の各当番区であった。りりしい表情の大きな人形を載せた山車6基が、お囃子(はやし)を響かせながら練り、祭りムードを盛り上げた。
今年は四日市区の「那須与一」、大門区の「石川五右衛門」、下西区の「柴田勝家」、竪・上横区の「武田信玄」、南末広区の「雑賀孫市」、三国祭保存振興会の「狐忠信」の計6基が巡行する。
3年に1回山車を奉納する大門区は午後3時半に蔵を出発。地元の園児から大人まで約50人が山車「石川五右衛門」を引き、民家の並ぶ細い道を約1時間かけて巡った。地元住民らは山車を見上げて「格好いい」などと声を上げ、区長は「地域みんなで祭りをできることは本当にうれしい。いよいよ本番だと楽しくなってきた」と笑顔を見せた。
南末広区でも午後1時ごろから、火縄銃を携えた山車「雑賀孫市」を子どもから大人までが引っ張った。えちぜん鉄道三国駅近くではスマートフォンを片手に写真撮影する人の姿も見られた。
6基は15~18日の午前10時~午後5時まで各山車蔵で展示する。祭り中日の20日は正午までに三國神社に集まり、午後1時から巡行が始まる。