長野県白馬村や妙高市に長期滞在する外国人スキー客を対象にした日帰りバスツアーが25、26の両日、上越市や糸魚川市でそれぞれ初めて行われた。参加者は日本酒の蔵元や寺、漁港などを見物して上越地方ならではの日本文化を満喫した。
◎上越←妙高 座禅体験リラックス
上越市と上越観光コンベンション協会が26日に開いたツアーには、オーストラリアやシンガポールなど4カ国の10人が参加した。
一行は妙高市の赤倉温泉でバスに乗り、高田公園で越後上越上杉おもてなし武将隊によるパフォーマンスや高田城三重櫓(やぐら)を見て回った。酒蔵や寺も訪ねた。
寺町2の久昌寺では座禅に挑戦した。住職から足の組み方や呼吸法の説明を受け、畳の上で15分ほど静かに座った。慣れない座り方に苦しそうな表情を浮かべる人もいた。
カナダから訪れ、妙高市にスキーで2カ月間滞在予定というエンジニアのジェレミー・ヘルさん(32)は「足がしびれたが、リラックスできた。普段できない体験ができ面白かった」と満足そうに話した。
ツアーはモニターツアーとしての位置付けで、参加者にアンケートして満足度を評価してもらい、今後の誘客に役立てる。18日に1回目が開催される予定だったが、参加者が集まらずに中止となっていた。
◎白馬→糸魚川 海岸歩き風情堪能
糸魚川市には25日、白馬村から外国人ら5人がマイクロバスで訪れた。能生漁港では昼競りがあり、競り人と買い手の威勢のいいやりとりを眺めた。番屋が並ぶ海岸を散策したり、海洋高校相撲部の練習を見学したりした。
ツアーは糸魚川青年会議所が企画し、白馬山麓ツアーズ(白馬村)が主催した。1月から毎週募集していたが希望者が集まらず、今回ようやく実現した。
白馬村から糸魚川市へは車で約1時間。同村には毎年1~3月、外国人客が3万人ほど長期滞在する。白馬山麓ツアーズの太田悟所長は「外国人を飽きさせないツアーが必要で、糸魚川は白馬から近くて海があるのがいい」と話す。
糸魚川青年会議所の片山良博さん(39)は「糸魚川の海が『白馬の海』と呼ばれるよう、企画を改良して少しでも外国人客を呼び込みたい」と意気込む。
オーストラリアから訪れた女性(50)は「白馬のレストランで食べたシーフードが糸魚川のものだと聞き、来てみたくなった。海から雪のある山が見えるのがすてき」と笑顔だった。