今年1月から、福井県越前町が同町茂原の空き家を改修し進めていた移住・定住体験施設が、このほど完成した。6月1日に完成式典を行い、一般に公開する。利用者の募集も始めた。
同町へ移住、定住するきっかけづくりや空き家活用の一環として、体験施設の整備に乗り出した。空き家の状態調査や住民への聞き取りなどで物件を絞り込み、20年来空き家になっていた同物件に決定した。
木造2階建て延べ面積、174平方メートル。1階の倉庫と車庫の48平方メートルをキッチン、コミュニティースペースに改修。デザインはふるさと福井サポートセンターに依頼した。古い外観を活かし、内装も木材を使用して素朴な印象。茶を基調とした落ち着いた雰囲気に仕上げている。
コミュニティースペースは、ソファとテレビを配置。体験者が不在の日は、住民が憩いの場として利用できる。
キッチンは、対面式のカウンターキッチンに整備。壁には作り付けの木棚を設け、町内の陶芸家から提供を受けた越前焼の食器約30枚を並べ、伝統工芸の魅力に触れてもらう。
開所式は1日午前10時から。町は、町内への定住、移住の意思がある人の施設利用を募っている。対象は町外在住者と、サテライトオフィスの設置を検討する企業。利用は原則、2泊3日から1カ月以内。料金は6000円~4万円。
利用者が同町の暮らしを体験するため、魚の調理法や船の上からさおでサザエやタコを採る磯見漁体験、野菜作りなど多彩なプログラムも用意している。
問い合わせ、申し込みは定住促進課=電話0778(34)8727。