射水市出身の造形作家、玉本奈々さん(39)=大阪府枚方市=の個展「共鳴り」が10日、南砺市上平地域の世界文化遺産・菅沼合掌造り集落の羽馬家で始まった。伝統的な合掌造りのたたずまいと、鮮やかな色彩を放つ平面、立体の現代美術を融合させ、独自の空間を演出している。14日まで。北日本新聞社共催。
五箇山・白川郷合掌造り集落の世界遺産登録20周年事業の一環として開催。玉本さんは布や紙などの素材に独特の色彩を施す造形手法を追求しており、近作21点を飾った。
平面「織」は五箇山の伝統文化をモチーフにした最新作。人々が歴史を重ね文化を織りなすイメージを表現した。
立体「捻転(ねんてん)」は長いひも状の布の集合体で、2010年から制作し、今も細胞のように"増殖"を続ける作品。6メートルの紙を色彩豊かに着色し、座敷に敷いた「路(みち)」は各地の人や文化のつながりを表した。
玉本さんは「文化が息づく合掌家屋と作品の響き合いを体験してほしい」と話す。
12日午後1時半からは玉本さんの色彩感覚に感銘を受けたというベルギー王立美術館公認解説者、森耕治さんが、会場で「色彩の魔術師マティス」について講演する。
入館料200円。講演会参加費は2千円(講演参加の場合は入館料無料)。