ワインと音楽で盛り上がる、えちごトキめき鉄道のイベント列車

ワインと音楽で盛り上がる、えちごトキめき鉄道のイベント列車

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クリスマスJAZZワイン列車 貸し切りで音と味を堪能

新潟日報(2015年12月23日)

 北陸新幹線とともに開業した在来線、えちごトキめき鉄道。通常の運行のほかにイベント列車も運行している。音楽と地元ワインを楽しむ「クリスマスJAZZ(ジャズ)ワイン列車」に乗車した。直江津-糸魚川の往復約2時間。線路の上のコンサート会場は想像を超えた盛り上がりで、熱気にあふれていた。
 
 えちごトキめき鉄道直江津駅。12日午後5時半前、日本海をイメージした青い車両に、参加者が続々と乗り込んできた。既に"ウエルカムソング"が流れている。演奏は上越地域を拠点に活躍するベテランバンド「エバーグリーン」と歌手のくろみつさん。軽快なメロディーに早くもワクワク感が伝わってくる。
 
 主催の頸城自動車は今夏もジャズとビールのイベント列車を走らせた。今回はリピーターや口コミの参加者が多いといい、募集から1週間で定員40人の約7割の予約が埋まったという人気ぶりだ。
 
 席に着くと上越市のワイナリー岩の原葡萄(ぶどう)園の社員が乾杯用のシャンパンを注いでくれた。4人がけのボックス席には4種類のワインと揚げ物などのつまみが用意されている。飲食物は持ち込み可能で、乗客の手料理もテーブルを彩った。
 
 「A列車で行こう」といったスタンダードやジャズ風にアレンジした歌謡曲を奏でるサックスやベースなどの音が心地よい。約40人の参加者の笑顔があちこちで広がる。「ほら飲んで。これ食べる?」。停車や発進時に揺れを感じるが、走行中はグラスのワインがこぼれるほどではない。差し出されるワインや持ち込まれた料理に手が伸びる。おいしい料理と楽しい会話にじわじわと温かな気分になった。
 
 発車から1時間、糸魚川駅を折り返すころには車内の盛り上がりは最高潮に。一緒に歌い出す人もいれば踊り出す人もいて、乗客の一体感が車内を包んだ。
 
 妙高市から参加した片所芳明さん(65)は「5500円でこの楽しさは魅力。自慢の地元ワインも出てきて、上越以外の人も楽しめる」とほんのり赤ら顔で笑みを浮かべた。午後7時半前、20曲以上の演奏が終わり、直江津駅に戻ると参加者から自然と拍手と歓声が上がった。

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