正月を控え、福井県越前町玉川にある玉川洞窟観音で、地元有志らが30日、石仏が安置されているトンネル内に越前焼の「明かりとり」を飾り付けた。40個の明かりが石仏を照らし、幻想的な雰囲気を醸し出している。
越前町玉川、血ケ平、梨子ケ平、左右の4区住民有志で作る「上岬地区をよくする会」が、県の「福井ふるさと百景を活かした景観づくり推進事業」の補助を受け制作した。明かりとりの陶器は、高さ約20センチの釣り鐘状で、11月に会員や家族ら約20人がカッターや棒で穴開け作業を行った。
この日は同会会員ら6人が取り付け作業に当たった。トンネル内の両脇にある37体の石仏の間などにLEDライトを設置、陶器をかぶせていった。点灯すると十一面観音像が安置されている奥の本殿までの参道を、淡い光が照らし出した。
同会の川岸善和会長(68)は「正月は、町内だけでなく県外からも参拝客が多く訪れる。越前町の魅力の一つである越前焼をアピールできれば」と話していた。
明かりとりは31日から1月3日までは24時間点灯する。4日以降の点灯時間は、同会や氏子らで話し合って決めるという。