立山信仰の伝承行事「おんば様のお召し替え」が13日、立山町芦峅寺の閻魔(えんま)堂で行われた。地元の女性が、山の神として親しまれる「うば尊(おんば様)」の木像の白装束を着せ替えた。
江戸時代中期から続く行事で、県無形民俗文化財に指定されている。芦峅女性の会(佐伯照代会長)が継承し、毎年この日に行っている。
女性の会と地元の老人会「伯鷹(はくたか)会」の計40人が閻魔堂に集合。白地の綿を一針一針縫い上げ、閻魔堂に安置されている6体と立山博物館にある9体の白装束を作った。
近くの芦峅雄山神社で白装束のおはらいを受けた後、閻魔堂の木像一体一体を丁寧に着せ替えた。円隆寺(富山市梅沢町)の佐伯光昭住職の読経に合わせ、真新しい装束になったうば尊を前に、静かに手を合わせた。
佐伯会長は「ことしも無事、新しい装束を着てもらうことができて良かった」と話した。