北大路魯山人の作品を並べ、新装オープンを待つ展示蔵「三の蔵」=新潟市秋葉区の中野邸記念館

北大路魯山人の作品を並べ、新装オープンを待つ展示蔵「三の蔵」=新潟市秋葉区の中野邸記念館

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秋葉区・中野邸美術館→「記念館」に改称 20日オープン

新潟日報(2017年4月18日)

 国内屈指の石油王中野貫一、忠太郎親子が明治時代後期に造った邸宅と庭園を今に伝える中野邸美術館(新潟市秋葉区)が「中野邸記念館」に改称し、20日に新装オープンする。中野家と交流があった美食家で、陶芸家の北大路魯山人の作品約10点を新たに常設展示。長年蔵に眠っていた往時の調度品なども並べ、石油事業で繁栄した足跡と人脈を紹介する。

 美術館は1997年に開館。美術家らに焦点を当て企画展を開いてきた。だが蔵を整理する中で、ぜいを尽くした多彩な調度品の存在が判明。「中野家そのものの歴史などにスポットを当てたい」と、運営する公益財団法人が所蔵品展示に軸足を移す方針を決め、ことし2月に改称した。

 企画展会場だった展示蔵「三の蔵」には、所蔵していた生活の道具や陶器約100点をそろえた。魯山人が中野家の依頼を受けて作った貴重な茶わんをはじめ、貫一が世界の石油掘削技術を視察した際に使った明治期の重厚なトランクケース、ラジオ、レコードケースなどを紹介する。

 邸内では、2階の客用応接室の調度品展示も充実。庭園「もみじ園」もPRする。運営スタッフの和田薫さん(56)は「美術品に限らず、珍しい物をたくさん並べることができた。今後も掘り出し物を展示していきたい」と意気込む。

 中野家は明治時代、秋葉区にあった所有地で油田を掘り当て、国内屈指の石油会社を育てた。魯山人は昭和初期に中野邸を訪れ、中野家収集の美術品を見て作陶に生かしたとされる。太平洋戦争中、東京大空襲で魯山人の営む会員制料亭「美食倶楽部」が焼失した際には、忠太郎が邸宅の新館を移築譲渡し、営業再開を支援するなど交流が深かった。

 問い合わせは中野邸記念館、0250(25)1000。

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