本格的な夏の到来を前に、福井県越前市の越前和紙産地でうちわ作りが佳境を迎えている。大滝町の栁瀨良三製紙所では、涼しげな透け感のあるうちわが次々と仕上がっている。
同製紙所は3月からうちわ用の和紙をすき始め、6月中旬まで500本を製作する。色は白、ブルー、ピンクで「落水」の技術を用いた透け感のある美しい柄が特徴。柄は菊花や渦巻きをイメージしたものなど10種類あり、部屋のインテリアとして買い求める人も少なくないという。
26日は栁瀨靖博さん(49)ら職人たちが、竹の骨組みに和紙を貼る作業を行った。栁瀨さんは「越前和紙の良さや自社の技術を知ってもらうきっかけになれば」と話していた。
産地のうちわは新在家町のパピルス館などで販売している。同製紙所のうちわは6月以降、県内外の百貨店にも並ぶ。