色とりどりの古布で作った人形をつり下げる「つりびな」の展示が3月29日、福井県鯖江市嚮陽会館で始まった。大雪のため桃の節句前の開催を遅らせた。市内外の愛好家らが丹精込めて作ったつりびな飾り57点と多彩なモチーフのちりめん細工100点以上を並べ、訪れた人の目を楽しませている。4月2日まで。
つりびなは、山形県などに伝わるひな祭りの伝統装飾。川地久代さん(84)=同市桜町2丁目=が主宰する「ちくちく縮緬(ちりめん)教室」では2年に1回、お披露目のための作品展を開いている。
今回は12人が出展。大雪による延期で、メンバーは「準備はできていたので残念だった」としながらも、「桜の季節の開催なので、多くの人に見てもらいたい」と笑顔を浮かべる。
天井から所狭しと並ぶつりびなは、1作品につき花や動物の人形約50個が下げられている。主に明治?昭和初期のちりめんの古布で制作しており「日本にしかないちりめん生地を使うことで趣が出る」と川地さん。「市鳥」のオシドリが眼鏡を掛けた愛らしい作品もある。