魚津市の海岸で8日、今シーズン25回目の春型蜃気楼(しんきろう)が観測された。魚津埋没林博物館が記録を取り始めた1992年4月以降、2016年の24回を抜いて最多となった。
午後0時25分ごろ、富山市方面の海岸の林が伸び上がって見えた。同館は5段階(A~E)のEランクとした。
同館は「近年は多い傾向にある。海岸部で観察、撮影する人の目が増えたことが大きい」と説明。4月に蜃気楼を撮影するカメラをハイビジョン化して2台から3台に増設し、観測精度が上がったことも理由に挙げた。気象要因についても現在調べている。
同市の海の駅・蜃気楼近くで解説する「しんきろう見させ隊」のメンバー、小坂勝男さん(73)=同市本江=は、過去最多について「見られる確率が高く、大勢に見てもらえたのではないか。もやで見えにくかったり、規模が小さかったりした日もあったので、ランクの高い蜃気楼に期待したい」と話した。