福井県越前町特産のマコモタケの栽培農家と町内の和菓子店がコラボし、マコモの粉末が入った水ようかんを開発した。水ようかんのつるりとした食感と、マコモの持つ香りと若草色が合わさった爽やかな逸品に仕上がっている。11月15日から販売を開始する。
マコモタケは、イネ科の多年草マコモの茎の根元部分。ほのかな甘みと柔らかな食感が特徴で、葉の部分を粉末状にしたものは水に溶くと抹茶に近い味わい。
同町でマコモタケを生産する司辻校一さん(66)と同町の和菓子店「江雲堂」の向當淳さん(49)が協力。2人は以前にもコラボ商品として「まこもカステラ」などを開発しており、冬の味覚として新しい形でマコモを味わってもらおうと、2016年から構想を練ってきた。
マコモの粉末は塊になりやすく、加えるタイミングを試行錯誤。市販の水ようかんとは違い、白あんを使うことでマコモの持つ香りと緑色が映えるように工夫した。
昨年、受注限定で試験販売し、食べた人の意見を聞きさらに改良。水ようかんならではの食感とマコモの風味が口の中に広がる逸品となり、今年から本格販売することになった。
向當さんは「贈り物として、相手との関係を仲立ちできるような水ようかんになってほしい」とにっこり。司辻さんは「マコモという自然の食材で元気になってほしい」と願いを込めた。
名称は「越前まこも水羊羹(ようかん)」。大小2種類で大が700円、小が400円(税抜き)。江雲堂の店頭で販売するほか、予約も受け付ける。問い合わせは同店=電話0778(32)2037。