越前焼研究の第一人者、故水野九右衛門氏(1921~89年)が約40年にわたる調査研究で撮影した写真を集めた「水野コレクション写真展」が、福井県越前町の越前古窯博物館で開かれている。水野氏が生前、自宅に私財で開設した「水野古陶磁館」の完成を祝う写真など15点が並ぶ。2月11日まで。
新春に合わせ、水野氏の長年の研究において節目となった「お祝いごと」をテーマに企画した。
水野氏は85年、優れた陶磁器研究者に贈られる小山冨士夫記念賞を受賞しており、実際のメダルと賞状を展示した。越前焼の代表作紹介と論文などを掲載した著書「時代別古越前名品図録」の出版記念会の写真も披露している。
水野氏は丹生高の教員として勤務する傍ら、陶磁器研究の権威、故小山冨士夫氏らとともに越前焼を共同研究。越前焼が備前や瀬戸などの産地に匹敵する歴史と規模があると明らかにし、日本六古窯の一つとして認められた。