福井県越前町織田の雨田光平記念館で、新春の展示「工芸と書画による 冬から春へ」が開かれている。多彩な芸術分野で活躍した雨田光平(1893~1985年)の作品をはじめ、交流があった作家や地元の陶芸家ら計7人の15点が並ぶ。3月24日まで。
作家が捉えた四季の移り変わりを、作品を通して紹介しようと企画した。池田町水海に伝わる国の重要無形民俗文化財「水海の田楽能舞」を題材にした雨田の作品は、田楽の舞人の姿を水彩画で描き、神社内が村人でいっぱいの様子を詩歌で表現している。
陶芸では越前町の日展作家、田村民藤さんが農機具に着想を得たという「凩(こがらし)」を展示した。冠雪した山を題材にした、越前焼工業協同組合の吉田豊一理事長の「遥(はる)か山嶺(さんれい)」も並び、雨田らの書画と合わせて季節の変化を楽しめる。