越前和紙や越前打刃物、越前箪笥(たんす)をはじめとする工芸の魅力を身近に感じてもらうイベント「千年未来工藝祭」は8月27、28の両日、福井県越前市アイシンスポーツアリーナを中心に開かれる。県内外の職人や作家約120個人・団体が出展し、来場者との交流を通じて手仕事に込めた思いを発信。新たに音楽フェスが同時開催され、祭典を盛り上げる。
千年未来工藝祭は2018年に始まり、今年で5回目。前々回以降は新型コロナウイルスの影響でオンライン企画中心だったため、現地開催は3年ぶりとなる。
夜市の空間を演出するメインアリーナのクラフトマーケットエリアは、越前市を中心に全国各地の伝統工芸職人や雑貨、ファッション、アート、アクセサリーの作家が作品を販売。市内産地の若手職人8人がチャレンジ作品を披露し、来場者の生の声を次の製作につなげる。
サブアリーナでは、紙漉(す)きや木工など多彩なワークショップを開催し、ものづくりの楽しさを伝える。屋外にはフードトラックが出店。まさかりどんの館では、ものづくりの現場で生まれる音や産地に伝わる作業唄を素材にした楽曲発表もある。
音楽フェス「ミレニアム・デッドストック・フェスティバル」は、アリーナに隣接する多目的グラウンドで開催。アーティスト約20組が出演し、会場ではこだわりのクラフトビールが販売される。
若手職人らと市がつくる実行委員会が3日、同市の市民プラザたけふで概要を発表した。同席した山田賢一市長は「千年を超える歴史で培われた産業を、これからの千年につないでいく動きが広がっていくよう願っている」とあいさつ。越前和紙職人の実行委員長は「作り手のことを深く知って、工芸の未来を感じてもらいたい」と抱負を語った。
27日は午前10時から午後6時まで(屋外は同9時まで)、28日は午前10時から午後4時まで。