すり鉢に似た護摩炉をかぶり、無病息災や家内安全を祈願する「すりばちやいと」が2月20日、鯖江市長泉寺町2丁目の天台宗中道院で行われた。小雨が降る中、朝早くから参拝客が列を作り、願い事を胸に静かに手を合わせた。3月2日にも行われる。
護摩炉は直径約30センチ。境内の元三(がんざん)大師堂に逆さにした二つをつるし、炉の底の頂上部でモグサをたいた。
参拝客は頭に炉をかぶせてもらい、僧侶の読経とともに手を合わせた。家族の名前を書いた札や写真を炉にかざす人もみられた。
4月から中学3年生になる孫の高校受験合格を願った女性は「希望校とのご縁につながれば」と話していた。
すりばちやいとは同院で千年以上続くとされる伝統行事。平安時代に比叡山延暦寺座主だった元三大師が鯖江に滞在中、参拝客の頭に護摩炉をかぶせ、きゅうをすえて疫病を鎮めたという言い伝えに由来する。