リニューアルオープンする小石屋旅館の1階カフェ=15日、山ノ内町渋温泉

リニューアルオープンする小石屋旅館の1階カフェ=15日、山ノ内町渋温泉

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渋温泉に素泊まり旅館オープンへ 温泉猿目当ての外国人客見込む

信濃毎日新聞(2015年7月16日)

 下高井郡山ノ内町で、温泉に入る猿「スノーモンキー」が人気の地獄谷野猿公苑を訪れる外国人観光客らの利用を見込んで、同町渋温泉の小石屋旅館が8月1日、リニューアルオープンする。旅館運営会社のヤドロク(山ノ内町)が、2013年2月に事業停止した同旅館を改修して運営。素泊まり限定にし、1階にカフェを設けて飲食物を販売する。

 旅館は木造3階建てで、一部鉄筋コンクリート4階建て。客室は10部屋(定員計40人)。ヤドロクは改修に約2千万円をかけて内装を明るい雰囲気にするなどした。1泊の料金は個室8500円(1室2人)、相部屋は1人3千円と安価に設定。北安曇郡白馬村や下高井郡野沢温泉村などに滞在し、地獄谷野猿公苑を訪れる外国人の宿泊を見込む。

 1階のカフェは午前7時半〜午後11時の営業で、北信地方の食材にこだわったサンドイッチのほか、パスタやパンを販売。こだわりのコーヒーを提供するほか、夜は肉料理やおつまみに加え県産ワインも楽しめる。

 小石屋旅館はサービスを簡素化して経費削減も進める方針。外国人客らには自分で布団を敷き、和室の文化を体験してもらうほか、タオルや浴衣の提供は個室の宿泊客のみに限定する。旅館に内湯はなく、宿泊客には館内のシャワーを使うか、近隣の旅館の内湯を楽しんでもらう。

 ヤドロク代表社員の石坂大輔さん(34)は、かつて星野リゾート(北佐久郡軽井沢町)に勤務し、市場調査などを経験。スノーモンキーが外国人の間で人気と聞き、山ノ内町内での起業を考えた。

 宿泊客の減少などで事業停止した小石屋旅館が競売にかかり、昨年6月、石坂さんが株主になっている会社が土地・建物を取得。ヤドロクが建物を借りて開業する。石坂さんは「宿泊と食事を分離することで、土地のおいしい料理を味わい、旅を楽しんでほしい」と話している。

 2018年3月期の売上高目標は3千万円。石坂さんを含め従業員7人で営業を始める予定だ。予約申し込みはヤドロク(電話0269・38・0311)へ。

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