飯山市、富山県高岡市の両公民館は16日、北陸新幹線(長野経由)飯山駅周辺の広域観光圏「信越自然郷」を巡り、童謡や唱歌を歌って交流を深める合同講座を初めて開いた。新幹線延伸で両市の行き来が容易になったことを受けて企画。飯山市公民館は「新幹線を使った他県、他市町村との交流の足掛かりにしたい」としている。
飯山市側は公民館講座を母体にしたサークル「北信濃ふるさと歌の旅」のメンバーら36人、高岡市側は三つの音楽愛好団体の計24人が参加した。
飯山市側の参加者は新幹線改札そばの駅観光交流センターでお出迎え。「ようこそ飯山へ!」と記した横断幕を持ち、中野市出身の国文学者高野辰之が作詞し、新幹線飯山駅の発車メロディーにもなっている唱歌「故郷(ふるさと)」を合唱した。その後、高岡市の一行も加わり、全員で「故郷」と「紅葉(もみじ)」を歌った。
7、8年ぶりに飯山市を訪れた高岡市の山本繁行さん(74)はハーモニカを披露し、「これから心情的にも近い場所になればいい」と話した。
両団体はその後、バスで中野市の中山晋平記念館へ。館内を見学後、高岡市の一行が富山県ゆかりの童謡などを紹介。全員で中山晋平作曲の「シャボン玉」などを歌った。
「歌の旅」が新幹線沿線の他団体と交流するのは初めて。会長の藤沢八代恵さん(64)=飯山市神明町=は、「親しくなって、いずれ(高岡市に)お邪魔できればいいですね」と話していた。