県埋蔵文化財センター(長野市篠ノ井布施高田)は14日、本年度に調査した県内11遺跡の出土品展「掘るしんinしののい2016」を同センターで始める。「地域と交流の考古学」をテーマに、北陸や東海地方などからもたらされた土器や玉類、馬具など計約180点を展示する。
塩崎遺跡群(長野市)では、新潟県糸魚川市産のヒスイの原石や剥片のほか、勾玉(まがたま)などの玉類が出土。現地で加工された可能性も指摘される。おのや剣、やじりといった鉄製品、東海地方の特色を持つつぼなどとともに展示した。ひんご遺跡(下水内郡栄村)出土の石棒や黒曜石製の石鏃(せきぞく)は、秩父山地や和田峠(諏訪郡下諏訪町、小県郡長和町境)周辺からもたらされた可能性があるという。
ほかに、鬼釜古墳(飯田市)で出土した古墳時代後期の鉄製馬具を展示。模様や色の異なる弥生時代の三つのつぼを並べ、土器の変遷が分かる工夫もしている。同センター調査3課長の川崎保さん(50)は「身近に歴史遺産が埋まっていることに気付き、遠い所と交流していたことを知ってほしい」と話している。
出土品展は19日までの午前10時〜午後4時、無料。問い合わせは、県埋蔵文化財センター(電話026・293・5926)へ。