東日本大震災で被災した文化財を紹介する企画展=13日、福井県立歴史博物館

東日本大震災で被災した文化財を紹介する企画展=13日、福井県立歴史博物館

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被災文化財、復興の息吹伝える 福井県立歴史博物館で企画展

福井新聞(2016年2月14日)

 東日本大震災の発生から5年を前に、津波などで被災した文化財を集めた企画展「よみがえる文化財」が13日、福井県立歴史博物館(福井市)で始まった。劣化を食い止める処理が行われ、ほぼ元の姿を取り戻した「宝」が、被災地の歴史や文化とともに復興の息吹を伝えている。3月21日まで。

 津波で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市の文化財を中心に約110点が並んでいる。津波に漬かった文化財は海水の塩分や雑菌、泥、ヘドロにまみれ、急速に劣化する恐れがある。全国の博物館などが協力し、汚れを落として塩分を抜き、消毒する応急処置を行っている。

 同市立博物館は、30年以上かけて採集した約3万点の昆虫標本を収蔵していた。津波で標本箱のガラスが割れ、中も泥だらけになった。全国約20施設の専門家が一点一点丁寧に泥を落とした。

 同市の郷土芸能「高田歌舞伎」の衣装は、袖などの部位に分けて、繊維の強さや色落ちに注意しながら洗浄と塩分を抜く作業を繰り返し、崩れた形を整えて仕立て直したという。

 会場には、一部が損傷しても人々の心のよりどころになっている仏像や、米カリフォルニア州に漂着して2013年に返却された高校の実習用ボートもあり、来場者の目を引いていた。

 展示に見入っていた福井市の会社役員林俊行さん(62)は「文化財の復旧を全国の博物館などが応援していることを初めて知り、胸を打たれた。まだ時間はかかるだろうが、二度と手に入らないものなので、国ももっと力を入れてほしい」と話していた。

 観覧料100円で、高校生以下と70歳以上は無料。問い合わせは福井県立歴史博物館=電話0776(22)4675。

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