来店したお客にメニューを案内する前沢さん(中央)

来店したお客にメニューを案内する前沢さん(中央)

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飯山駅前、地域の味で誘客 望む声受け栄養士の女性が飲食店

信濃毎日新聞(2016年8月18日)

 北陸新幹線(長野経由)飯山駅前に飲食店「おんと」が開店し、地元住民や観光客を迎えている。昨年3月の新幹線飯山駅開業後、これまで駅前に飲食店は少なく出店を望む声が多かった。「観光客へのもてなしと地域のにぎわいにつなげたい」と前沢美和さん(40)=中野市岩船=が店を開くことを決めた。

 おんとは、方言で「座って」の意味。「恩と」にも掛け、恩に応え、感謝を込めて多くの人に来てほしい―と願う。テーブル席二つ、カウンター席計約20席がある。駅周辺で飲食店など商業施設の起業を支える市の起業支援事業補助金第1号に決まった。民家の一部を借りて7月23日に営業を始めた。

 8月17日に来店した田中悦幸さん(66)=東京都町田市=は中野市の実家に帰省中で、飯山駅周辺を散策している際に立ち寄った。名物の富倉そばと地元特産の「笹(ささ)ずし」を味わった田中さんは「食べやすい味だった。駅前に飲食店ができたのはいいことだ」と話していた。

 店の営業時間は、午前11時半〜午後2時と、午後5時〜午後8時半。昼には、富倉そばや笹ずしを、夜には市特産の豚肉「みゆきポーク」や地元産の旬の農産物を使ったおつまみ(100〜400円)を提供する。日本酒は、田中屋酒造店(飯山市)の「水尾」と角口酒造店(同)の「北光(ほっこう)正宗」も楽しめる。

 料理が好きで栄養士の資格を持つ前沢さんはこれまで北信地方の病院や温泉地で働いてきた。調理部門の経験は少ないが、飲食業への興味を持っていたという。飯山市内の飲食店関係者らと知り合い、駅前で飲食店の開設を望む声があることを知った。両親が飯山市出身で飯山への愛着もあり、4月に出店を決意した。

 飯山市と飯山駅周辺の8市町村は広域観光圏「信越自然郷」と名付け、地域をPRしている。店の食材は、飯山市や周辺地域のものにこだわっている。前沢さんは「この地域のおいしい料理を味わい、観光を楽しみ、また来てほしい。地元の住民にも愛されるお店にしたい」と話す。月曜定休。問い合わせは、おんと(電話0269・67・0244)へ。

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