北海道・知床半島沖の観光船事故を受け、福井県内の海上保安署や観光船事業者は4月25日までに、船舶の緊急点検やミーティングを行った。観光船関係者は安全運航に対する意識を高め、事故時の対応を再確認した。
小浜海上保安署は25日、小浜市の観光名所の蘇洞門(そとも)めぐりに使用されている小型観光遊覧船「のちせ」(19トン)、「みやび」(16トン)を緊急点検した。救命胴衣の有無や消火器の有効期限、事故時の避難経路などを確認。気象、海の状況が変化した際の運航基準も確かめた。遊覧船運航会社「そともめぐり」の溝口裕之社長(60)は「事故は対岸の火事ではない。安全最優先の意識を改めて徹底する」と話していた。
坂井市三国町の東尋坊で遊覧船を運航する「東尋坊観光遊覧船」は24日、全船員を集めてミーティングを行い、毎朝の発航前点検や非常時の対応を再確認した。阪本浩三社長は、東尋坊遊覧は岩場が多い点で知床の遊覧ルートと似ているとし、「ちょっとした判断を誤ると大きな事故になる。点検を再度徹底し、安全に運航していく」と話した。
国交省は24日、全国の旅客船事業者に対し船体の点検や安全管理の徹底を要請した。