雪から土塀を守る薦(こも)掛けが1日、長町武家屋敷跡で始まり、行き交う人が城下町の冬支度に見入った。薦の端材を使った小物づくり体験会も開かれ、市民や観光客が縄の結び方など、職人の技術を学び、冬の風物詩に親しんだ。
薦は、雪から土塀を保護し、土塀に含まれた水分が凍って傷んだり、雪解け時に土がはがれたりするのを防ぐ。市は1986(昭和61)年から武家屋敷跡周辺の薦掛けを行っている。
金沢職人大学校の受講生と卒業生、指導する造園職人ら19人がわらで作った幅360センチ、高さ95センチの薦を土塀の腕木に縄でつるした。今年は53枚を新調し、2日までに民家や施設の土塀1067メートルに取り付ける。薦外しは来年3月中旬を予定している。