大門地区で収穫された小麦を使って生産される大門素麺=砺波市大門

大門地区で収穫された小麦を使って生産される大門素麺=砺波市大門

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大門素麺に地元の小麦 来春限定発売

北日本新聞(2014年12月25日)

 砺波市の特産品、大門素麺(おおかどそうめん)の本場である同市大門地区で栽培した小麦を原料に使った素麺作りが今冬復活した。市内で途絶えていた小麦栽培に地元農家が乗り出し、今秋製粉した小麦を使って、JAとなみ野大門素麺事業部が試作に取り組んでいる。来春限定販売する。同JAは品質に自信を深めており、来シーズンは砺波産小麦の素麺生産を拡大する方針で「地産地消を進め、大門素麺の魅力を発信する」としている。

 地元産小麦を使用した大門素麺の構想を練っていたJAとなみ野は、大麦を栽培し、素麺生産者も加入している「大門圃場(ほじょう)管理組合」に小麦栽培を働き掛けた。同組合は昨年秋に1ヘクタールで作付けし、ことし6月に初収穫した。今秋、小矢部市の製粉会社に委託し、県外産とブレンドした小麦粉を製造した。

 現在、大門素麺事業部の生産者6戸が小麦粉1625キロを使用してそれぞれ大門素麺を生産している。約6千個製造し、来春からJAとなみ野の直売所「となみ野の郷」(砺波市宮沢町)などで販売する。大門地区の有志が来年3月に開業する「農家レストラン大門」でも扱う予定。

 24日は大門素麺事業部長の境欣吾さん宅=同市大門=で乾燥や素麺を丸まげ状に梱包(こんぽう)するなどの作業が行われた。境さんは「従来の県外産小麦と比べて遜色ない。滑らかでしっとりした出来上がりで、十分やっていける」と話した。

 大門圃場管理組合はことし10月、昨年秋の1・5倍の1・5ヘクタールで作付けした。同JAは「大門素麺の付加価値を高め、農家の複合経営を進めるためにも、地元産小麦を使った生産を拡大したい」としている。

 能登から技術が伝わった大門素麺は1848(嘉永元)年に生産が始まった。かつて大門地区には小麦を挽(ひ)くための水車小屋があったと伝わる。当初は地元産小麦を使って素麺が作られていたが、生産拡大とともに原料を県外産に頼るようになったとされる。

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