自民党の稲田朋美政調会長(福井1区選出)が党整備新幹線等鉄道調査会長を実質的に兼務することが24日、分かった。会長の町村信孝衆院議員が衆院議長に就任し、党籍離脱となったため。
鉄道調査会は党政務調査会の下に位置付けられている部会や調査会の一つ。これまで、整備新幹線の延伸などを議論してきた。
関係者によると、鉄道調査会の会長職は当面空席となり、政調会長の稲田氏が実質的にその役割を担う。鉄道調査会会長代理には山本拓衆院議員(比例北陸信越選出)が就いており、高木毅衆院議員(福井2区選出)や滝波宏文参院議員(福井選出)もメンバーに入っている。
町村氏は与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の座長も外れたため、通例でいけば稲田氏が座長も当面兼務するとみられる。
稲田氏は衆院選の公約で、2025年度末とされる北陸新幹線金沢―敦賀開業の3年前倒しと、福井駅の先行開業を目指すことを掲げていた。政府与党は既に敦賀まで3年前倒しの方針を固めており、福井県にとっては弾みがつく可能性もありそうだ。
北陸新幹線をめぐっては、3年前倒しを含めて15年度予算の国費分が増額される見込み。年明けに開かれる政府与党ワーキンググループ(WG)で明らかになるとみられる。自民党は来年度予算編成の中で、前倒し開業の結論を出した後、先行開業をPTの議題にするとしている。