高岡市で舟下りイベントに取り組む「千保川・未来プロジェクト・クルーズ実行委員会」(岡本清右衛門委員長)はことし夏、小矢部川沿いの工場夜景を川面から楽しむ「トワイライトクルーズ」の実施を計画している。昼間とは違う幻想的な景色に一変する工場夜景は全国的に人気を集めており、高岡の新たな観光資源としての可能性を探る。
小矢部川下流には化学関連や製紙業などの工場が立ち並び、夜間は配管や建屋がライトに照らされる。千保川クルーズ実行委は昨年11月、千保川と小矢部川を経由して伏木港に向かう試験運航を実施。工場地帯を通った際、参加者から「夜通ったら面白そう」と声が上がった。
試験運航の収穫として、小矢部川は流れが穏やかで障害物が少ないことを確認。また同10月の「高岡万葉まつり」では、夜の高岡古城公園の濠(ほり)に舟を浮かべて作業する機会があり、夜間航行も経験した。安全運航への手応えを感じ、実現に向けて計画を進めている。
トワイライトクルーズでは10人乗りのゴム製カヌー「Eボート」を使用する。舟下り部長の藤田正英さん(59)は二上橋から城光寺橋までの区間で川下りを検討しており、「殺風景な工場地帯が夜になると姿を変える。川面に映り込む夜景まで眺めたい」と話す。実行委はこれから会合を重ね、具体的なルートや開催日を決める。