どぶろくを生かして地域活性化に取り組む南砺市利賀村坂上の民宿経営、中西邦康さん(72)が、地元のイワナから抽出した酵母を混ぜた新商品を開発し、30日に関係者を交えて自宅で試飲した。これまでのどぶろくより甘みが増したと手応えを感じており、2月6~8日の利賀そば祭り(北日本新聞社共催)で販売し、盛り上げに一役買う。
中西さんは国のどぶろく特区の南砺市で、2012年に初めて製造免許を取得。観光客らに農作業を体験してもらう「利賀百姓塾」の塾長を務め、無農薬で育てた酒米と地元の湧き水、清酒用酵母などでどぶろくを製造してきた。
地元食材から取った酵母で新しいどぶろくを造り、地域おこしにつなげたいと考え、12年秋に県食品研究所(富山市)に打診。イワナの皮から抽出された酵母の提供を受け、どぶろくに混ぜて仕込んできた。
市商工会利賀村支部の城岸一明支部長、酵母を抽出した同研究所の瀬智之副主幹研究員が民宿「中の屋」で試飲した。中西さんは、これまでのどぶろくもフルーティーな風味で親しまれたが「さわやかさが増し、芳醇(ほうじゅん)でさらに飲みやすくなった」と話した。
そば祭りでは約14リットルを大カップ(600円)と小カップ(300円)で販売する。問い合わせは中西さん、電話0763(68)2104。